料理と味と味覚
料理と味と味覚
料理の味をみるとき、舌先だけで味わうと実際より薄味に感じるのはなぜでしょう?
基本の味
食べ物の味は甘、酸、塩、苦という四つの味が基本となり、これにうま味、辛味などの味が加わって、
さらに堅さ、温度、弾力、粘りなどの物理性と、形、色、香り、食べる環境や体の条件などの生理的、心理的条件が統合されておいしさが決まってくると考えられます。
舌で感じる味覚
ところで、この基本となる四つの味は舌で感じるのですが、舌の部分によって感じ方が少しずつ違っています。
たとえば、甘味は舌先で強く感じ、酸味は舌の両側、苦みは舌の根元で強く感じるのです。
塩味は舌の周辺全体でまんべんなく感じるようですが、それでも舌全体ひろげた時と、舌先だけで味わったときとでは感じる刺激の強さは必ずしも同じではありません。
お料理の味をみるとき、舌先で味わっただけではわからないという第一の理由はこれです。
味のみかた
つぎに、食物を口に入れると、たくさんのだ液が口中に分泌されてきます。
そこで、少量の汁などを舌先でいつまでも味わっていると、たちまちだ液で薄まって、本来の味より薄いと判断してしまいます。
ほんとうの味をみるには、まず口の中の調子を良く整えて、ある程度の量をぱっと舌の上全体にひろげ、そのときの一瞬の味を注意して記憶したら、
あとはさっと飲み込むか吐き出すかしたほうが、正確な味がわかるのです。
一日に数十~数百種もの酒を見分ける「きき酒」のような場合には、ひとつひとつ口に含んで考えこみ、飲んでいたのでは、とても正しい判断はできません。
料理の手際での味の変化
なお、調理の手順が悪いと、味をみたときにちょうどよくても、食卓に出したときは前より煮詰まって、味が濃くなったりしている場合も少なくないので注意が必要です。
汁物でも煮物でも、調理室で味をみたときには少し薄味ではないかと思う程度のほうが、食卓に出したとき、かえってちょうどよくなると思って間違いありません。
味の分類
- 科学的な味:水溶液による味覚神経への刺激 「甘、酸、塩、苦」旨、辛、渋
- 物理的な味:口腔内に与えられる物理的刺激 温度、硬軟、粘弾性、触感、可塑性など
- 心理的な味:身体条件による刺激の感じ方 空腹感、渇感、疲労感、健康状態など
- 心理的な味:心理的要因の味覚への影響 外観、色、香り、環境、個人的嗜好など
参照:「こつ」の科学 杉田浩一著
まとめ
味が濃かったら修正は難しいです
薄味で最後に微調整がいいでしょう。
塩辛い味付けが気になるお年頃でして。
広島市安佐南区の珈琲豆屋大和
ランチもやってます。